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-前回のお話-
http://shintaro1979.blog33.fc2.com/blog-entry-226.html
カテゴリー:「逃亡者シリーズ」

入隊して、いや、働き始めて1ヵ月が経過した。

11月になり、年末の繁忙期が近づいてきたせいか、
3本線アルバイトと、それ以上の階級の者達の
憎しみとも思えるような怒号は日に日にエスカレートした。

我々最下級兵9人の疲労は極限状態にまで達した。

希望シフトを提出しても、そんなものは無視され、
毎晩のようにシフトを入れられ、13連勤、14連勤はザラだった。

給料は結構もらえて嬉しかったが、
毎日毎日、何をやっても、どんな動きをしても怒号が飛んできたので、
毎晩我々は、打ちのめされたように帰路に就いた。

しかし、

バカ、ボケ、アホ、死ね

この四単語を雨のように受けながらも、
我々9人の最下級兵は、誰一人辞めることはなかった。

バイトなんだから、もっと楽しいところに行けばいいのだが、
「このまま消えてしまうのは、負けたようで悔しい」
ということで、皆で結束して頑張り続けた。

この店の料理は、全てコース料理。
約10種類あるコースの品目と順番を全て覚え、
全てのテーブルが何番目の料理に達しているか、
すべてを把握しなければならない。

状況を完全に把握するため、必死で状況を見ていながらも、
非常に細かいところでガンガン怒られ、
怒られてる間にもホールの状況は刻々と変化し、
ホールに戻ってみたら状況が分からずミスをして、
そしてまた、怒鳴りつけられるという悪循環。

おまけに皆、ぶっ続けで毎日シフトが入っている。

年末までに、一人前に仕立て上げようというのが、
上級兵どもの思惑だったんだろうが、
これだけ毎日怒鳴りつけられたら、たまったもんじゃない。

精神的にも、肉体的にも、限界中の限界に到達し始め、
段々と、下級兵達の士気が低下し始めた。

そのうち、ロッカールームでは、
「上級のバイト○○を袋叩きにしてやろう」とか、
ちょっと物騒な話まで持ち上がり始めた。

それくらい、ストレスの極限状態に近づいていた。

そんなある日、事件が起こった。

ドリンク係のレギュラー、1本線の通称:モアイは、
その日も忙しくドリンク係に徹していた。

金曜の夜ということもあってか、その日は多忙を極めた。

ピリピリした空気の中、皆、集中しっ放しで、
夜8時ごろには、皆、極限状態になっていた。

だんだん偉そうになってきたプーさんは、
発言も荒々しくなってきて、
我々最下級兵の「しばくリスト」の上位を独占し始めていた。

あるテーブルから入ったドリンクのオーダーが遅れ気味で、
プーさんがツカツカとドリンク・カウンターに現れ、
こう言い放った。

プーさん 「おい、こらおまえ!!ドリンクまだか!!
      さっさとせいや、ウスノロが!!!」

モアイ  「あ、すいません。もうちょっと待ってください。
      すぐやりますんで!」

プーさん 「なにしとんじゃ、おまえ!どんだけ客待たすんじゃ!」

モアイ  「・・・。」

たまたま通りかかった私と数人の最下級兵達は、
「あ、やばい。」と、思った。
モアイは、いいやつだったが、多少気が荒いところがある。

プーさん 「何も他のことせんと、俺が言った事だまってきけや!」

モアイ  「・・・ はい ・・・ う、う、・・・」

プーさん 「あァ!?なんて?」



モアイ  「っさいんじゃ、クソボケが!!!
      いまやっとるやろが、ハゲこら!!!



でちゃった、とうとうでちゃった。

誰か一人は、ぶち切れる奴がでるだろうとは思っていたが、
いざぶち切れた奴が現れると、皆、心の中で拍手喝采だった。

無理も無い、彼は2週間休みを取っていない。
もう、何もかもうっとうしくなったんだろうか、
一気に大爆発してしまった。

プーさん  「お、あ、おまえ・・・ なん・・・」

プーさんも激しく動揺していた。
おしっこちびりそうなほど、表情が強張っていた。

と、そこへ、大声を聞きつけた店長が現れた。

店長は、これまたイカつく、この店では最も恐ろしい男だった。

芸能人で例えるなら、見た目は

tencho


白竜だった。

フィクションでも何でもなく、
なぜか、この店には「ほんとは、ヤクザでは?」
と思える程にイカつく恐い人間がわんさといた。

店長  「お、なんや、何があったんや。」

プーさん 「て、店長、実はですね・・・」

仕事もそれくらいやれってくらいに、
プーさんは事細かに事の詳細を告げ口した。

店長  「オイコラ、お前、何さらしてくれとんじゃ。」

こ・・・ こわ・・・。

銀ちゃんこと、満田銀次郎を見ているようだった。

ホールでは大忙しの中、店の裏方は一瞬で凍りついていた。
たまたま居合わせた私も、一気に凍りついた。

モアイ  「あ、いや、あの・・・。」

モアイも、若干冷静になり、事の重大さに気付いたようだった。
己よりも上級の位に居る人間に、反論するどころが、
大声張り上げて怒鳴り返した。

この店では、やってはならない、いや、
やったら殺されてコンクリ詰めにされ、
近くの川にほおり投げられかねん行為だ。

店長  「われ… うちのもんに何さらしてくれとんじゃ。

「うちののもん」の間違いじゃないか?
と、思うくらいにドスが利いて迫力があった。

モアイ  「す、すいません、、つ、つい・・・」

店長   「ついああるかい、おんどれが。帰れ。」

モアイは、必死に謝り続けたが、
店長のドルビー・サラウンド級の大迫力、
しかし静かなる怒りを鎮めることはできなかった。

モアイ  「も、もうしません… 許して下さい…。」

店長   「いや、とりあえず帰れ。今すぐ消えろ。」

結局、モアイは「とりあえず帰れ」ということで、
静かにドリンクカウンターを出て、家路についた。

彼がエレベーターを降りて帰っていくところを確認し、
店長は、こう呟いた。

店長  「あいつも、疲れてるんやろ。無理もないわ。
      帰って、頭を冷やして、疲れも癒したらええねん。」

あれ… 若干優しい…?
一応、店長だけあって、やっぱり下級兵とはいえど、
ちょっとは考えてくれてるのかな?


その後、モアイの姿を見ることは無かった。

オオニシ 「あの、でっかい声だしたやつ、どないしましたんでしょか?」

店長  「ん?クビにしたけど?」


生存者: 残り8人

まだ、書き足りない。


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すごい・・・裏の世界ですね。
私も、大学の時某居酒屋でバイトしてました。
結構チェーン店になって有名なところなんですが・・・
ヤクザばっかりでした。
場所が悪かったのか、
お客さんもそれ系で、乱闘とか月1はありましたよ。
私も血だらけでがんばりましたが、
5ヶ月で死にました。。。。
【2006/06/22 23:08】 URL | ちえ #-[ 編集]
確実に手が出てるね俺なら…。(バイト中はキレナイケドネ)

でも、飲食系の店ってそっち系の人多いよね~。
病院の給食室でさえ元ヤンだらけだし…
こわぁ~><

とりあえず、オオニシしばきてぇ~☆
【2006/06/23 06:30】 URL | さとじぃ #mQop/nM.[ 編集]
は、はやく、続きが見てみたい。
ホールの裏の世界、色々あるんですね~\(ΘoΘ)ノ
【2006/06/23 09:55】 URL | moko #-[ 編集]
>ちえさん
ヤクザはつき物ですね、飲食店って。
どこいってもヤクザがからんでくる。w
って、この店も半分ヤクザだけど。w

>さとじぃ
オオニシしばきてェやろ?w
オオニシの話は、最後ちょろっとまた出そうかな。
ちなみに僕は、キレテナイデスヨ。

>mokoさん
ほんとね、あなどっちゃいけないですよ、
飲食店の裏方は。
味方同士でさえ、モメごとは絶えませんから。
【2006/06/24 14:45】 URL | シンタロウ #-[ 編集]














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