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お姉さんに導かれるまま、
私は受付の奥の階段を上りはじめた。

受付 「絵は、お好きですか?」

シ 「大好きですね、机の上によく落書きしてましたけど。」

受付 「あっはっはっはっは!
     さすが大阪の方、おもしろいですねー!」

おやおや、
本当は僕、京都人ですけど?

というか、

本気で落書きの方が好きですけど?

なんてことを思いながら、上っていった。

この建物の外観は、縦に細長い感じだった。

当然、階段も狭いわけで、ちょっと窮屈な印象を受けた。

2階に着くと、10畳くらいの部屋があり、
その壁には所狭しと絵画が飾ってあった。

女の人と男性のペアが2組、パイプ椅子に座って絵を見ていた。

恐らく、男は私のように捕まった馬鹿な客で、
女の人は俺の横に立っている受付と同じ接客員。

2組とも、それぞれ絵の前に座っており、
女の人が必死に絵について語っていた。

おいおい、
モロ売り込みトークしてるやん。

とにかく、女の人はそれぞれ必死だった。

そんなにデカイ声を出さんでもええやろってくらい、
血管ぶちきれちゃうよ?ってくらいに、
ぼけーっと絵を見ている男に語りかけていた。

その部屋に入り、一枚のカラフルな絵の前に立ち、
受付はスイッチが入ったように語りだした。

受付 「この絵は、版画なんです。
    版画の作り方からご説明しますねー!
    まず、版画ってどうやって作るかご存知ですかー?」

いや、別に作り方とか要らんから。

どんだけ手の込んだ作品かを語り、
徐々に絵の良さを刷り込んでいく気だろう。

まぁいい、真面目に答えてみようか。

シ 「あれでしょ、ベニヤ板みたいなやつに薄い墨を塗って、
   彫刻刀で彫って、今度は濃い墨を塗って、
   紙を上から乗せて、山下清が持ってる弁当の包みたいなやつで
   上からゴシゴシするんでしょ?」

受付 「あっはっはっはっは!ほんとオモシロいですねェ!」

あれ、
僕は至って本気で
版画の作り方を話したんだけども?


あ、そっか、これは小学校の図画工作レベルだったか。

受付 「この版画はですね、・・・・(省略)・・・・。」

受付の女性は、延々と絵について説明してくれたが、
説明中、俺はずーっと、その絵の左下に書かれている
お値段が気になってしかたなかった。

だって、
60万とか書いてあるんだもん。

周りの絵を見てみると、そのお値段は80万~90万。

こーれはヤバイ。

というか、なんでこういうお高い絵なのに、
金額を普通に「60万」と書いてあるのかが不思議だった。

いくらなんでも、アバウトすぎだろ?

せめて、「\600,000」とか書けよ。

どこにこだわってんだ、騙されて入ってきたくせに俺は。

気付いてはいたけど、
やっぱり本気で買わせる方向に進める気だ。

1枚60万~100万もする絵を売るんだから、
そりゃ周りの女の人は必死になるだろうよ。

気が済んだのかなんなのか知らないが、
俺は全く聞いちゃいないのに版画の説明を終えた受付は、
俺をさらに上階に導いていった。

俺の頭の中は、いざというときにどうやって
この狭い階段を走って下りるかでいっぱいだった。

階段の壁にも数点、絵が飾ってあり、
受付はそれらの絵について説明をしてくれた。

シ 「へぇ~、へぇ~。」

トリビアの泉なら、間違いなく20へぇ獲得だ。

3階の部屋も、2階の部屋と同じような感じだった。

受付はその部屋にある絵を一通り説明してくれたが、
そこでも俺は、そんな話には全く興味は無く、

部屋の端っこに積み上げられた
パイプ椅子を食い入るように見入っていた。

一体、どのような流れでこのパイプ椅子が2脚取り出され、
あの2階で見た熱いトークが繰り広げられるのだろうか?

誰が描いたかわからんような絵よりも、
もうそっちのほうが気になってしまっていた。

受付 「さて、今まで見てこられた中でですねー、
    『この絵なら部屋に飾ってみたい!』
    っていう絵はありましたかー?」

…あ、全然見てなかった。

そうか、ココからつなげていくに違いない。

「興味のある絵」をどれか1つを選ばせて、
そこから集中的に売り込みトークで突いてくる気だ。

オモシロい… 魂胆がみえみえだ。

こうなりゃ、徹底的にかわしてやるか。

シ 「えーっと、どれか1つですか?」

受付 「はい、どれか1つです!どれなら飾ってみたいですか?」

シ 「そうですねー、まぁ、
   絶対に買わないけども、
   敢えて選ぶなら、それかな。」

壁にも飾っていない、
地べたに置いてある、ちょっと暗めの絵を指差した。

俺の放った「絶対に買わないけども」に、
受付の表情が若干変化した。

おもしれぇ。

受付 「こ、コレですか!!?
    お客さん、お目が高いですよ、ホントに!!」

お客じゃないって、買わないんだから。

あら、「絶対に買わない」って言ってるのに、
変に頑張るわね、この子。

でも…、 ちょっと失敗した。

誰の目にも留まらないようなのを選ぶのは、
奴の思うツボだったのかも知れない。

「お目の高さ」というとっかかりから突いてくるに決まってる。

受付 「ちょっと、壁にかけてかざってみますね!!
    見え方も違ってきて、もっと素敵に映るので!」

やばい、調子に乗せちゃった…。

テンション上がった彼女は、ちょっと気持ち悪かった。

ビジネスの臭いがプンプンしたからだ。

受付 「ほら、素敵でしょう?
    あ、ちょっと椅子だしますね!
    ココに座ってみてもらえますか?」

でたッ!パイプ椅子!

これはヤバイ!

さっき2階で見たのと同じパターンに持ち込まれた!

やばいぞ、他の奴らと同じパターンで売り込まれる!

まぁいい、平静さを装ってみよう。

シ 「ほぉ~、なかなかいいですね。」

受付 「でしょ、そうでしょう!?素敵だとおもいません?」

素敵な絵なら、下に置いておくなよ。

そろそろ、本気で俺も待ち合わせの時間が近づいてきたし、
この辺でそろそろ終わりに持ち込むか…。

シ 「うん、確かに素敵ですね。
   まぁ、買いはしないですけど、いいですね。

受付 「え… あ、えぇっとですね、この絵を描いた画家はデスね・・・」

こらこら、聞いておいでか、俺の話を。

か・わ・な・い って言ってるだろうがよ。

あー、めんどくせ。もういい、たたみかけよう。

シ 「あと、私、10分後に浅草で待ち合わせなんで、
   巻きで喋ってもらえますか?」

受付 「え… 10分後に待ち合わせですか?」

シ 「えぇ、アキバに来たのも、ちょこっと立ち寄っただけなので。」

受付 「この絵、すばらしいと思いません?
    ぜひ、この絵の素晴らしさをお話したいので、
    そのお友達に、待ってもらうとかはできませんか?」

シ 「えっと、無理ですね。だいたい、
   大阪人なもんで浅草がどんだけ遠いかわかんないので、
   早く行きたいんですけど。」

その時だった。

背後から、女性の声が聞こえてきた。

女性 「あーッ!さっきの方ですねー!覚えてらっしゃいますー、
    私のこと!?」

覚えてるも何も、お前が誘導してきたんだし、
それに、会ったのほんの10分前だろ。

って、なんでお前がココで割って入ってくる?

女性 「あれ、この絵がお好きなんですかー?
    下においてあったやつですよねー、
    へぇ~、しぶいですねぇ!」

気軽に話しかけながら、こっちへやってきた。

すると、受付はゆっくりと席を立ち、
女性と何の会話も交わさずに立ち去り、
俺の目の前には、その女性が座った。

でた、バトンタッチ!!

受付は、このシチュエーションに持ってくる
布石にすぎなかったのか!

しまった、こっちが本番だったか!!

女性 「この絵はですねー、ホニャララ(覚えてない)って画家が
    描いたものでしてね、あ、ちょっとまってください!」

女性は突然立ち上がり、近くにあった棚から
ファイルを取り出し、その画家の写真があるページを開いて
俺に見せてきた。

女性 「この画家はですね、・・・・・(省略)・・・・
    この作品を作るのに・・・・・(省略)・・・・・」

うざい…

うざいうざい… めんどくさいッ!!

シ 「えっと、さっきの人にも言ったんですけど、もう行きますわ。」

女性 「えッ!どうしてです?」

シ 「だから、友達と浅草で待ち合わせしてるんで。時間が無いんです。」

女性 「そ、そうですか…。わかりました。
    お時間頂かないと、この絵を説明できないので…。
    小西さん、また、ぜひお越しいただけますか?」

シ 「はい、わかりました。すんませんな、タダで見せてもらって。」

小西じゃないけどな。

女性 「いえいえ、見ていただいてありがとうございます。」

無理やり引き止めたら、恐らく軟禁になるからな、
きっと引き際も心得ていたのだろう。

なんとか買わずにその画廊を出ることができた。

しっかし、本当に気の弱い奴だったら、買わされてしまうのだろうか?

結局、秋葉原では画廊で時間を費やしてしまって、
他に見る時間がなくなってしまった。

秋葉原で得たもの:

drawing-akiba


女性がくれた、ポストカード1枚。

100万の絵なんかよりも、俺はこっちのほうが好き。

アキバに来て、絵画を見るって、
それこそマニアックな気がしてならなかった。

また、リベンジに帰ってくるからな。(懲りろよ。)

グッバイ、秋葉原!


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すいません、引っ張った割にはイマイチで。
精進致しませんけども。
【2006/07/21 08:17】 URL | シンタロウ #-[ 編集]
すごい!強い!
私エステの勧誘そのまま断れずサインして、ク-リングオフしたことある
絶対買わないけど。。。とかさりげなく言っちゃえるとこすごいです!!
秋葉原をなかなか違った形で満喫しましたね
【2006/07/21 09:31】 URL | りさこ #-[ 編集]
>りさこ
本当に買わずに逃げたいと思ったら、
サラッと出てきちゃう自分が怖い。w
【2006/07/21 12:31】 URL | シンタロウ #-[ 編集]














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